会話論 weekly~作るヒント、観るヒント131

本日「ごらく亭」でこんなの上演。指南落語の構造崩し。
隠居:松尾貴史、奥様:松永玲子、八五郎は小宮孝泰…

隠居:昔は『水わかし』と言った、『湯わかし』じゃないぞ、水を沸かさないと湯にはな
   らん、そうだろ?で、なぜ水わかしがやかんになったのかと言うと、川中島の合戦、
   あそこまでさかのぼる。川中島の合戦で夜中に奇襲があったんだな。
襲われた方は不
   意をつかれる。慌ててある若武者が自分の兜をかぶろうと枕元を見たが見つからない。
      あるのは水わかし。そこで湯を捨て、兜の代わりにかぶって敵の直中に突っ込む。
   すると
敵方から、矢が一斉に放たれ、その矢が水わかしに当たってカーンという音。       つまり矢が当たってカーン…だから薬缶なんていい加減な話が(急変)通るわけない
   だろうが!(カツラかなにかを投げつける)
奥様:(不安が現実に、お盆を落とす、飛び散る紙コップ)

隠居:もう嫌じゃーっ!
奥様(駆け寄る)
隠居:この落語ができてから240年、いつもワシはいい加減な理屈ばかり並べ立てて…
奥様:しょうがないでしょ隠居なんだから
隠居:矢が当たってカーン!なんて話、誰が納得する?
〜故林広志 浮世根問, 2017

人物が自立し始める。枝雀落語みたい?
隠居がアイデンティティを取り戻していく物語。2017.2.5