故林コントRemix『二死満塁の人々』
2009.3.13-22@三鷹市芸術文化センター
中期ベスト的オムニバスコント、お世話になった三鷹三部作?最終。(脚本:故林広志、演出:福原充則)
[出演]犬飼若浩 今立進(エレキコミック) 菅原永二(猫のホテル) 竹井亮介(親族代表) 富岡晃一郎 野口かおる 森谷ふみ
[福原×故林対談]
火事場の馬鹿力という言葉がある。そう、「火事場」で「馬鹿力」なんてものを出す。なんと身勝手な人だろう。一人っ子だろうか。それより火事を招いた自らの不徳を省みてほしい。一方コントで馬鹿力を発生させるには人物を追い込むに限る。不条理の炎を使ってだ。
上京して11年、私は人間を追い込み続けて来た。台本で。その中で「最も容赦無い感じのもの」を選んだ極限コント集。ボーナストラックもつけさせてもらいます。
逃げ場の無さから生まれる予想外の笑い。舞台ならではの密な空間を、追い込まれ上手な断末魔たちと一緒にお作り致します。(台本:故林広志)
スタジオ時ぶりの「耳をすませば」というアニメがある。中学生の甘酸っぱい青春恋愛思春期全開ものがたり。とてもいい作品でOL女性をはじめファンも多いのだが、アニメおたくの間では危険なアニメとされている。あまりにも完成度の高い甘酸っぱさのため、自らの暗黒の思春期との落差に「俺の青春とはなんだったのか…。そして今の俺も…。」と鬱になるオタクが続出したのだ。見るなよ、キケン!耳をすませばはヤバい!と。
本企画も同じようなものが作りたい。これはコントだ。お客さんを笑わせたい、とにかく笑わせたい。ただ、ちょっと必要以上に笑わせたい。劇場からの帰り道、三鷹駅まで歩きながら客はふと思うのだ。
「今日はずいぶん笑ったなあ。楽しかった…。しかし明日からまたくだらない仕事のどうしようもない毎日の繰り返しだ。舞台上の楽しさにくらべ、私の笑いのない生活は一体どういうことだろう。もう嫌だ。だめだ。…そうだ死んでしまおう!」
と思わせるくらい面白いことがしたい。合い言葉「コントで殺せ!」で頑張ります。(演出:福原充則)