ワークショップ@山形県川西町

大宮から東北新幹線に乗って米沢駅下車、広大な空と田園、その中にぽっかり目立つ建物。
町の情報交換の活気そのままにワークショップ。
24名中60代13名、70代3名、80代2名のシニア編成。
主催は置賜文化交流フェスティバル実行委員会。
共催が町の出身=井上ひさしさんゆかりの「川西町フレンドリープラザ」と、WS参加者が多数所属している「劇団菜の花座」。

内容――
1)二人一組で相手を取材、紹介(シニアならでは、話題が豊富で面白い)。
キャッチフレーズ、構成、力点…自分がどう見えてるか、どう見せたいかを考えていく。
客観性の獲得が目標。
「自分と比べつつ相手を褒める」ってパターンが多かった。ふだん一緒に活動してる強味。
でも紹介するとなると意外と相手を知らないことにも気づく。
公と私、何が違うのか考えるきっかけに。

2)コント台本を使って
どこが面白いのかコンセンサスを取ることが狙い。
初見の読みとはいえ、情報の送受信や反応は日常じゃ一回限りだから。
2分ほどの教室コントを班ごとに反復練習、動きや言い回しなど創意工夫が入り込むことで一体感が生まれ、他の班との競争意識も動力源に(高校演劇部の生徒役はさすがにリアル)。
ここに1)との共通テーマ「自分たちのポジショニング」が浮上。
コミュニケーションは関係性の自覚から。

3)思い出しエチュードでまとめ
存在を忘れられた人が、思い出してもらおうと自ら特徴を小出ししていくエチュード。
思い出してもらう人は自分を客観的、手短かに効率的につかんでアピールしていく。
思い出すほうは「忘れてる=横の一体感」と、「思い出す=気持ちの変化」を試行錯誤。
内側が伴わないと空気も呼吸もつながらない。意識が入るだけで日常が地滑りが起こりがち。
いくつかのポイントを念頭に、10月の発表公演、何より日常のスムージングにお役立ていただけそうな…そんなコミュニティベースの創造的運動会のような4時間でした。

終わってから懇親会会場に行くまでの間、フレンドリープラザ内にある「遅筆堂文庫」を案内してもらう。井上ひさしさんの蔵書が寄贈されていて、希代の戯作者がいかにインプットに時間と力を費やしていたかを思い知る。「戯作」とはパロディのことらしいけど「戯れながら作る」そんな意味でも合ってるんじゃないか、楽しげな背表紙を眺めながらそんな思いを巡らせた(懇親会で頂いた日本酒「雪むかえ」おいしゅうございました)。 2016.8.20